
シラーといえば、第九の詩を書いた人としても有名だね。



ゲーテとも親交の深かったシラーについてみていこう。
今回ご紹介するのは、ドイツの文学運動シュトルム・ウント・ドラング、ならびに古典主義を代表する詩人、フリードリヒ・フォン・シラー(Friedrich von Schiller, 1759-1805)。
日本では『群盗』やベートーヴェンによる交響曲第九番の詞の作者として有名なシラーだが、ゲーテと並びドイツ文学のうち最も重要な人物のひとりだ。
それではさっそく、この詩人の生涯と、その代表的な作品について見ていくことにしよう。
シラーの生涯
群盗


1759年にマールバッハに生まれたシラーは、シュトゥットガルトににある軍学校に入学し、連帯つき軍医になるべく学び始める。そして彼は1781年に匿名で『群盗』を発表。
この作品は大きな成功を収めるが、公爵の意思に逆らって執筆し、マンハイムで行われた初演に密かに参加したシラーは厳しく処罰される。
シュトットガルトから夜に霧を利用して逃れ、マンハイムへと向かったシラーだが、文筆で生計を立てる彼の試みは失敗に終わる。



経済的に困窮していたシラーは、しばしば友人からの援助を受けていたよ。
歴史学


執筆のために歴史学にも取り組んでいたシラー。その成果は、『三十年戦争史』(Geschichte des dreißigjährigen Kriegs, 1790)や戯曲『ヴァレンシュタイン三部作』(Wallenstein-Trilogie, 1799)として結実する。
1789年にイェナに移動したシラーは、まず無給で歴史学の教授として働き始めたが、シラー本人は哲学分野の教授であった。
しかし『群盗』の著者による講義は、講堂に学生が収まらないほどの人気ぶり。1790年からはシラーの経済状況も安定し、シャルロッテ・フォン・レンゲフェルトと結婚することに。
ゲーテ


1788年にシラーは、イタリア旅行から帰ってきたゲーテと初めて対面。これが彼らがこの世を去るまで続く交友関係の始まりだが、二人の関係は当初険悪だった。
それは、シラーの『群盗』にゲーテが批判的だったことが原因であるが、1794年に彼らが言葉を交わした際、シラーの考えがゲーテに近いと考え、二人の距離は急接近。
二人を中心として、ワイマール古典主義と呼ばれる文化が発展していく。そして彼らの文学活動にとって重要だったのが、シラーが発刊していた『美神年鑑』。
1797年にはゲーテとシラーによる諷刺詩『クセーニエン』もこの雑誌にて発表され、同時代の文学への批判がなされ、センセーションを巻き起こした。
ワイマール時代


ゲーテと共同で数多くのバラードをシラーは作り、これらを『美神年鑑』を通して発表。ワイマールへと移住した彼は、ゲーテとの親交をさらに深めていく。
バラード作品の他にシラーが力を注いだのが、先に紹介した『ヴァレンシュタイン三部作』や、『マリア・シュトーアルト』(Maria Stuart, 1800)、さらに『オルレアンの少女』(die Jungfrau von Orleans, 1801)のような劇作品であった。
それらの中でも際立つのが、1804年に発表された『ヴィルヘルム・テル』(Wilhelm Tell)。14世紀初めのスイスの民衆による独立運動が題材となったものだ。
この作品が完成した翌年にあたる1805年、シラーの死を知らせる誤報が流れる。しかし実際に彼は重い病に苦しんでおり、闘病生活の末この世を去るのだった。
主要作品
シラーの生涯についてみたあとは、早速彼の主要作品をチェックしていこう。ここでは、ふたつの舞台作品を取り上げてご紹介する。
『群盗』Die Räuber (1781)


Beilage 55 der 6. Lieferung der Illustrierten Geschichte der deutschen Literatur von Dr. Anselm Salzer, † 1938, Bild-PD-alt, https://de.wikipedia.org/w/index.php?curid=5055013
シラーによって発表された最初の舞台作品。マンハイムで初演が行われ、そこで作品が収めた成功はシラーの名を広く知らしめることになった。
物語の主な登場人物は、二人の兄弟カールとフランツ、そして彼らの父モール伯爵。父の遺産の後継者であり、才能に溢れた兄カールに対し、弟フランツは劣等感と憎しみを抱いていた。
策略によってフランツは父にカールを廃嫡させ、相続権を奪ったうえ、自ら君主の地位に就こうとする。その一方で、カールは盗賊の首領となり、社会に対する復讐を目論み…。
『オルレアンの少女』Die Jungfrau von Orleans (1801)


シラーのワイマール時代に生まれ、数多く上演されることになった作品の一つ。かの有名なジャンヌ・ダルクが主人公として登場する。
100年戦争時のフランスが物語の舞台。イングランド側にオルレアンを包囲されるフランスだが、戴冠前のシャルル七世の前に庶民出身のジャンヌが現れる。
彼女は王の祈りの内容を当て、自らが神の啓示を受けた者であると説得し、戦闘では先陣を切って数多くの功績を打ち立てる。念願の戴冠式が執り行われるが、そこで起きた出来事はしかし…。


さいごに
今回はシラーの生涯と彼の作品についてご紹介したが、あまり代表作品について書けなかったため、後ほど改めて加筆することにしたい。
シラーはゲーテとのコンビというイメージが強くて、今でも二人の作品を交互に読んだりしているが、どちらの作風も全く色褪せない
この記事で関心を持っていただいた方はぜひ、シラーの舞台作品をサクサク読んでみることをお勧めする。



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